成年後見制度は、2004年の介護保険制度スタートと同時に施行されました。
必要のないリフォームを契約させたり、詐欺のような高額商品を買わされたりと本人の意思に反する出来事が、日常生活のなかには潜んでおり、高齢者を狙う悪質な業者による犯罪は後を絶ちません。
成年後見制度では、意図しない介護サービスを利用してしまうケースにおいても、判断力が低下した人に不利益が生じないよう、本人に代わり後見人が契約や財産管理を行うことができます。
■ 任意後見制度
自分で判断することができるうちに任意後見人を選出しておき、判断能力が低下した場合に備えておく制度です。
将来の財産管理や身のまわりのことについて、何を支援してもらうかを自分で決めておくことができます。
■ 法定後見制度
すでに認知症や知的障害などの理由で、判断能力が低下している方に対し本人の権利を法律的に支援、保護するための制度です。
家庭裁判所が選任した後見人等が本人に代わり、財産管理や契約締結などを行うのが特徴です。
判断能力の程度に応じて、以下の3類型に分けることができます。
判断能力が全くない人が対象です。日常生活を送ることが困難な方を指します。
判断能力が著しく不十分な人が対象です。日常生活は送れるが、法的な取引等をひとりで行うことに不安がある方を指します。
判断能力が不十分な人が対象です。日常生活は問題なく送れ、法的な取引等をひとりで行うこともできるが、サポートを必要とする方を指します。
悪質商法等による被害を防ぐため、後見人等には取消権が与えられており、本人が行った不利益な契約を取り消すこともできます。