介護保険制度の仕組みと保険料

更新日2023.12.20

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介護保険とは

介護保険制度は、平成12年4月から始まりました。
住んでいる市区町村(保険者)が制度を運営しています。

私たちは40歳になると、被保険者として介護保険に加入します。
65歳以上の方は、市区町村(保険者)が実施する要介護認定において介護が必要と認定された場合、いつでもサービスを受けることができます。

また、40歳から64歳までの人は、介護保険の対象となる特定疾病により介護が必要と認定された場合は、介護サービスを受けることができます。

※40歳以上の方は、介護保険料を毎月支払うこととなっており、この保険料は、介護保険サービスを運営していくための必要な財源になります。

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▼介護保険制度の仕組み
▼被保険者

40歳以上の人が対象となり、第1号被保険者と第2号被保険者に分かれます。

第1号被保険者 対象者 65歳以上の人
原因を問わず所定の介護や支援が必要と認定された人がサービスを利用できます。
2号被保険者 対象者 40歳以上65歳未満の医療保険加入者
加齢による病気(特定疾病)が原因で所定の介護や支援が必要と認定(要介護認定)された人が、それぞれの要介護状態に応じたサービスを利用することができます。

【特定疾患の一覧】

  • がん末期
  • 関節リウマチ
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 後縦靱帯骨化症
  • 骨折を伴う骨粗鬆症
  • 初老期における認知症
  • パーキンソン病関連疾患
  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

【介護認定の手続きについて】
介護保険サービスを利用するには、要介護(要支援)認定の申請が必要です。住んでいる市区町村の窓口で本人または家族が申請を行います。介護度の認定は、調査員が自宅等を訪問して行った「聞き取り調査の内容」と「主治医の意見書」を元に市区町村において審査会が行われ、決定します。

▼保険者(実施主体)

介護保険の実施主体は、市町村です。
市町村は保険者として、保険料と公費を財源として、介護保険制度を運営しています。
【運営の内容例】

  • 保険料の金額を決め、保険料を集めます。 第1号被保険者の保険料は原則として市町村が、第2号被保険者の保険料は原則として医療保険者が医療保険料と一括して集めます。
  • 介護保険被保険者証と負担割合証を交付します。
  • 要介護認定を行います。
  • 介護保険事業計画を策定し、介護サービスの確保や整備を行います。
  • 地域包括支援センターを運営します。
▼サービス事業者

指定を受けた民間企業、社会福祉法人、医療法人、NPO法人などが、「在宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」などを提供します。

▼保険料

第1号被保険者は、年金からの天引きや直接保険者に納付する方法で定額の保険料を納付します。
第2号被保険者は、国民健康保険料や職場の健康保険料などと一緒に納付します。
第1号被保険者も第2号被保険者も保険料は所得に応じて決まります。

【第1号被保険者の場合】
第1号被保険者(65歳以上の人)の保険料は国が定める基準に従って、保険者である市町村が条例によって3年に1度定めます。所得の低い人の負担を減らし、所得の高い人は能力に応じたものとするため、「所得段階別保険料」となっています。
具体的には、まず「基準額」を設定し、これに、所得に応じた負担割合をかけます。所得は原則として6段階に分けられています(第1段階のほうが所得が低くなっています)。
(例)第1段階と第2段階では、標準額に2/4をかけます。つまり保険料は半額になります。
※但し、この6段階は市町村によって異なることもあるため、詳しいことはお住まいの市町村に確認して下さい。

区分 該当者 保険料 (標準額に対する割合)
第1段階
  • 老齢福祉年金の受給権をもっていて、かつ
    (1)市町村民税世帯非課税
    (2)第2段階区分を適用された場合、生活保護法の要保護者となるが第1段階の保険料であれば保護を必要としない状態になる人
  • 生活保護法の被保護者
  • 本来の区分が適用された場合、生活保護法の要保護者となるがより低い区分の保険料であれば保護を必要としない状態になる人(「境界層該当者」といいます)
2/4
第2段階
  • 市町村民税世帯非課税者であって、前年度の公的年金等の収入金額及び合計所得額の合計額が80万円以下で第1段階に該当しない人
  • 境界層該当者
2/4
第3段階
  • 市町村民税世帯非課税者であって、第1段階、第2段階に該当しない人
  • 境界層該当者
3/4
第4段階
  • 市町村民税非課税者であって第1段階、第2段階、第3段階に該当しない人
  • 境界層該当者
標準額
第5段階
  • 市町村民税課税者であって合計所得金額が基準所得金額未満である人
  • 境界層該当者
5/4
第6段階
  • 上の各段階のいずれにも該当しない人
6/4

【第2号被保険者の場合】
第2号被保険者とは、40~64歳の人をさします。
加入している医療保険の算定方法により保険料の額が決められ、医療保険料に上乗せされて集められます。

▼介護保険で利用できるサービス
居宅サービス(自宅に訪問するサービス)
居宅療養管理指導 医師や歯科医師、薬剤師、栄養士、歯科衛生士が自宅に訪問し、在宅での診療や服薬指導、食生活のアドバイスや口腔内の清掃を行う
訪問看護 医師の指示に基づき、看護師が自宅を訪問し、輸液の管理や身の回りの世話を行う
訪問リハビリテーション 理学・作業療法士などが自宅に訪問して、歩行訓練や寝たきり予防の指導を行う
介護支援 ケアマネージャーが在宅介護に対する相談やどのような介護サービスを受けられるかのアドバイスを行う
訪問介護 資格を持ったホームヘルパーが訪問し、身の回りの介助や家事の代行などを行う
訪問入浴 移動式の浴槽を有する巡回入浴車で入浴介助スタッフが自宅訪問し、入浴介助する
通所(日帰り)・短期滞在系サービス
通所サービス
(日帰りで通うサービス)
通所リハビリテーション
(デイケア)
歩行訓練や日常生活の回復を目的としたリハビリ中心のサービスを日帰りで受けられる
通所介護施設
(デイサービス)
寝たきりの予防や家族の負担軽減を目的として、食事や入浴などのサービスが日帰りで受けられる
短期滞在系サービス
(施設へ短期入所して受けるサービス)
短期入所生活介護
(ショートステイ)
介護老人福祉施設などに短期間入所し、日常的な生活の世話や機能訓練が受けられる
短期入所療養介護
(医療型ショートステイ)
介護老人保健施設などに短期間入所し、日常的な生活の世話や機能訓練のほか、医学的な管理のもと、看護などの医療的なサービスを受けられる
施設サービス
介護老人福祉施設
(特別養護老人ホーム)
常に介護が必要で、自宅での生活が困難な方を対象に、食事や入浴、排せつ等、日常生活の介護や機能訓練、療養上の世話を行う施設
介護老人保健施設
(老人保健施設)
病状が安定し、リハビリに重点をおいた介護が必要な方を対象に、看護やリハビリを中心とした医療ケアと介護を行う施設
介護療養型医療施設
(病院・診療所の療養病床)
長期間にわたり療養が必要な方を対象に、介護体制の整った医療施設(病院等)で、医療や介護などを行う施設
その他のサービス
福祉用具貸与 手すり、歩行器、車椅子や介護ベッドなどの福祉用具がレンタルできる
特定福祉用具販売 入浴用イスや腰かけ便座など、入浴や排泄など貸与に不向きな福祉用具について、購入費用の一部が助成される
住宅改修費の支給 手すりの取り付けや、段差の解消、滑りの防止等の自宅の改修費が支給される(支給額の上限あり)
▼サービスをうけるときの負担

【利用の時の負担】
介護保険のサービスには、サービスごとに利用料金が決められています。
サービスを利用したときの負担は、原則介護サービス費用の1割です。そのほか、次の費用が自己負担となります。
※2018年8月より介護保険制度の改正により、自己負担の上限が引き上げられました。
・施設サービスを利用した場合は食費と居住費
・短期入所サービスを利用したときは食費と居住費
・通所サービスを利用したときは食費

また、要介護度ごとに定められている1ヵ月に利用できるサービスの上限額(支給限度額)を超えた部分の利用料は全額自己負担になります。

【利用者負担の軽減】
施設サービスを利用した場合の食費と居住費、短期入所サービスを利用したときの食費と居住費は、所得の状況に応じて負担の軽減措置があるほか、社会福祉法人の提供する介護サービスを利用する場合は、所得状況により社会福祉法人による利用者負担の減免制度があります。

【高額介護サービス費】
世帯での1か月の介護サービスにかかる利用者負担額の合計が所得区分に応じた上限額を超えた場合は、利用者負担軽減のため、超えた金額について高額介護サービス費が支給されます。


▼介護サービスを利用するまでの流れ
①申請 介護が必要と感じたら、保険者(市町村)の窓口に要介護認定の申請の手続きをします。認定の申請は、居宅介護支援事業所や介護保険施設などに代行してもらうこともできます。
②要介護認定 【訪問調査】
申請が受付けられたら、調査員が自宅等を訪問して、ご本人の心身の状況や日常の生活状況等の項目について聴き取り調査を行い「認定調査票」を作成します。
【主治医の意見書】
保険者(市町村)の依頼により、主治医(かかりつけ医)に「主治医の意見書」を書いてもらいます。
【審査・認定】
作成された「認定調査票」をもとにコンピューターで一次判定が行われます。この一次判定結果と「認定調査票中の特記事項」「主治医の意見書」を参考に、介護・医療・保健分野の専門家で構成される「要介護認定審査会」で二次判定を行い、要介護度を決定します。
この要介護度に応じて、利用できる介護サービスの上限額(支給限度額)が決まります。また要支援の場合と要介護の場合で利用できるサービスが一部異なります。
なお、要介護認定の結果に不満があるときは、都道府県に設置されている「介護保険審査会」に申し出て裁決を受けることができます。
③介護サービス計画の作成 要介護度が決定したら、本人や家族の要望、生活の状況、利用できるサービスの上限額などを勘案して、「何を」目的として「どのサービス」を「どれ位」使うか、「いつ」使うか、「どこのサービス」を使うかについて「介護サービス計画」を作成します。
「介護サービス計画」は自分で作成することも可能ですが、介護サービスについて広い知識をもった居宅介護支援事業所の「介護支援専門員(ケアマネージャー)」に依頼して作成してもらうことが一般的です。「介護サービス計画の作成」については、利用者の負担はありません。
なお、施設への入所を希望される方は、直接施設に申し込まれるか、既に居宅サービスを利用している方であればケアマネージャーに相談することができます。
④サービスの利用 作成された介護サービス計画に沿って、介護サービス事業者から介護サービスの提供を受けます。
各サービス事業所においても、「介護サービス計画」の目的に従い、より詳細な「個別援助計画」が作成され、サービスを利用するひとりひとりに沿ったサービスが提供されます。
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