世界で感染拡大している新型コロナウイルス感染症は、高齢者や基礎疾患がある方の重症化率が高いことが明らかになっております。
高齢者が感染症リスクを下げるにはどのようにすれば良いかをポイントごとに紹介していこうと思います。
高齢者介護施設には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した場合に重症化率の高い高齢者が入居していることが懸念されております。
入居者を守るために施設側がどのようなことに注意しなければならないのか、同時に施設内に入居されている高齢者は何に注意しなければならないのかを考えていかなければなりません。
ウイルスの感染経路ですが、介護施設内で突如ウイルスが発生することはありません。ウイルスは必ずどこかから持ち込まれてきます。
主な感染経路は以下の2つです。
感染経路としては空気感染もありますが、現時点では不明な点が多いためここでは飛沫感染と接触感染について説明しております。
感染者の咳やくしゃみから飛び散った飛沫(ウイルスの粒子)を吸い込んで感染することです。
感染者の飛沫(ウイルスの粒子)した場所に手で接触した後、目・鼻・口などの粘膜に触れて感染することです。
高齢者施設における飛沫感染の経路としては、感染の疑いのある濃厚接触者(施設職員や面会に来るご家族など)や外出時の感染の疑いのある他人との距離が近いことなどが挙げられます。
高齢者施設における接触感染の経路としては、感染の疑いのある濃厚接触者(施設職員や面会に来るご家族など)が触れた場所や会話時に飛沫して付着した場所が挙げられます。
高齢者施設が気をつけるべきポイントは施設内にウイルスを持ち込まない工夫をすることです。
まず施設職員の健康管理は大前提となるため、職員の発熱や感冒様症状などの体調不良者を把握することは重要です。
介護現場は慢性的な人手不足により体調不良を隠して出勤をする状況があるようですが、クラスター(集団感染)を引き起こしてしまうと介護をしたくてもできない環境に陥るため、施設全体で体調不良を申告できる態勢を整えておきましょう。
その他、施設側でできる対策を以下にまとめてみました。
感染対策の基本は手指衛生です。流水と石けんによる手洗い及びアルコール手指消毒を励行しましょう。
マスクの装着だけでなく、糞便など体液・汚物処理をする際にはゴーグルや手袋、エプロンなどを着用しましょう。
不要不急の面会は中止したり、施設内で密集するようなイベントやレクリエーションで外出したりすることは控えましょう。
密閉空間でのクラスターが報告されております。空調による換気も必要ですが可能であれば定期的に窓を開けて換気を行いましょう。
普段から人が触れる場所(ドアの取っ手やノブ、ベッド柵や電気のスイッチなど)を消毒するようにしましょう。
入居者の感染症対策ですが、上記にある手指衛生の励行や健康管理で不調の場合はすぐに申告するようにしましょう。
入居者同士で話す場合は、1~2m以上離れるようにすることも感染症対策となります。
また皆で食事をする際には十分に間隔をあけ、体調不良の方は個室で食事を済ませるなどの配慮が必要です。
感染予防の基本は自分が感染しない、人にうつさないことが大切
様々な感染予防を講じることは良いことですが、高齢者は生活不活発(動かない状態)による健康への影響が危惧されます。
生活不活発によりフレイル(虚弱)が進みやすくなり、心身や脳の機能が低下していきます。
動かない時間を減らして、施設内でもできるちょっとした運動でフレイルを予防していくことも大切です。