加速する介護ロボット普及に向けての取り組み

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加速する介護ロボット普及に向けての取り組み

最終更新日:2020年10月29日

厚生労働省が2020年7月17日に発表した『2019年 国民生活基礎調査の概況』によると、自宅で介護を受けている高齢者のうち、介護者もまた高齢者である老老介護の割合が全体の59.7%を占める調査結果が出ております。

ここでは加速する高齢化に向けて、国が取り組みを強化している介護ロボット普及について紹介したいと思います。

目次
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老老介護(ろうろうかいご)の問題

■ 老老介護とは?

65歳以上の高齢者を同じく65歳以上の高齢者が介護している状態のこと
老老介護とは?

社会全体の課題である介護問題は、平均寿命が延びるにつれて高齢者同士による老老介護の問題が深刻化してきております。

誰もが当事者として関わる可能性がある老老介護は、高齢の妻が高齢の夫を介護したり、65歳以上の子供がさらに高齢の親を介護したりするケースが増えております。

介護者が高齢の場合は、肉体的にも精神的にも大きな負担となり、そのストレスが被介護者への虐待行為に結びつく恐れがあります。このような状況を作り出さないためにも、介護ロボット普及に向けての取り組みは急務であると言えます。

■ 今後の高齢人口の見込み

今後の高齢人口の見込み

日本の総人口は、2008年の1億2,808万人をピークに人口が減少しており、国立社会保障・人口問題研究所が2015年から2065年を対象とする推計(平成29年推計:出生中位・死亡中位)によると、2065年には日本の総人口が8,808万人になると言われております。

高齢人口(65歳以上)割合は、2015年の26.6%から、2020年は28.9%、2065年には38.4%にまで急激に上昇すると予測されております。

今後の高齢人口を支える立場の生産年齢人口(15~64歳)の割合は、2015年の60.8%から2065年には51.4%に下落すると想定されており、このままでは介護に携わる方の負担は一層強まると言われております。

介護ロボット普及への新事業

厚生労働省は、介護ロボットの開発から普及までを迅速に進めるため、2020年8月3日に新事業をスタートさせました。

全国に相談窓口を11ヵ所設置し、リビングラボ(介護ロボットの評価・効果検証をする場所)を6ヵ所設けて、連携して取り組みます。

※リビングラボ…実際の生活空間を再現し、新しい技術やサービスの開発を行うなど、介護現場のニーズを踏まえた介護ロボットの開発を促進するための拠点のことです。

介護ロボット普及への新事業

介護ロボットの選び方が分からない介護現場と、ニーズに合った機器を開発したい企業をつなぐ介護ロボットのプラットフォームをつくり、人材不足対策や質の高いサービス提供につなげるのが目的です。

介護ロボット開発・実証・普及のプラットフォーム

※ 出典:「介護ロボットの開発・実証・普及のプラットフォーム」

■ 介護ロボットの無料試用貸し出し

介護ロボットの無料試用貸し出し

新事業のスタートに伴い、窓口では介護現場と企業からの相談を受け付けております。

介護現場には、業務改善事例や補助金などの情報を提供したり、体験展示をしたりするほか、介護ロボットの無料試用貸し出しも行っております。

新事業スタート時の2020年8月には、31機器(移乗支援4、移動支援2、排せつ支援5、見守り・コミュニケーション20)が貸し出されております。

また介護現場や企業、研究者らで組織する協議会を、相談窓口のエリアごとに設置しており、介護現場の課題と、それを解決するための技術のマッチングや情報共有も行われております。

各介護施設においては、介護現場での実証に協力することで、最先端ロボットが試用できると共に、導入の検討が可能となります。

介護ロボットの開発・実用化の支援内容

様々な場面で介護機器は、利用者の自立支援や介護者の負担軽減を図るために重要なものです。その介護機器にロボット技術を活用した介護ロボットは、介護の質と生産性の向上が期待されております。

■ ロボット技術の介護利用における6分野13項目

介護ロボットの技術が、介護喉の場面で利用できるかを以下の6分野13項目に定めております。
国ではこれらの項目において、それぞれ開発・導入を支援しております。

ロボット技術の介護利用における6分野13項目

※ 出典:厚生労働省「介護ロボットの開発と普及のための取り組み」

■ 補助金や助成金等

介護福祉機器開発に対する補助事業の募集は、2021年の予定となっております。

ロボット介護機器開発・標準化事業(開発補助事業)は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構が行っており、高齢者の自立支援等に資するロボット介護機器の開発をサポートします。

詳細はこちら→
https://www.amed.go.jp/koubo/02/01/0201B_00090.html

介護ロボットポータルサイトはこちら→
http://robotcare.jp/jp/home/index.php

課題解決型福祉用具実用化開発支援事業は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が行っており、高齢者及び障害者のQOL向上・日常動作を支援する機器、介護者の負担を軽減する機器をサポートします。

その他、年間を通じて用意されている支援としては以下の通りです。

株式会社産業革新投資機構(JIC)→
https://www.j-ic.co.jp/jp/

JICグループのJICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社は、イノベーションを促進し、国際競争力の向上、産業及び社会課題の解決を目指す投資活動を実施しております。

都道府県等における介護ロボットの開発に係る助成事業→
http://www.techno-aids.or.jp/robot/jigyo.shtml

また経済産業省より、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響に伴うベンチャー企業向け支援として、スタートアップ企業や、一時的に財務状況が悪化し企業再建に取り組む持続可能な企業に対して、長期間元本返済がない支援を実施しております。

まとめ
まとめ

厚生労働省は介護現場や企業、介護ロボットの開発企業を相談窓口のエリアごとに設置をして、介護現場の課題とそれを解決するための技術のマッチングや情報共有を行うこととしました。

今後は、相談窓口や貸し出し機器を増やす予定であり、介護事業の人材不足解消のツールとなることが期待されます。

また介護事業所だけでなく、一般家庭での介護支援としてもより一層整備されていくことと思われます。

介護者や介護現場が介護ロボットへの理解を深め、老老介護のあり方を見直してみることが大切です。

介護ロボットは、実用化と普及が進むことで介護者側と要介護者側のどちらにとっても負担軽減になる可能性があります。

今後も国や自治体による支援の強化・メーカーの開発努力が望まれます。

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