特定疾病は65歳以上に多く見られ、要介護状態に陥る原因となる疾病とされております。特定疾病のいずれかを患っている方は、3~6ヵ月以上継続して要介護状態又は要支援状態となる割合が高いと考えられております。
また65歳未満でも発症が認められる疾病であり、40歳以上であれば、介護保険の第2号被保険者の認定を受けて公的介護保険サービスを利用することができます。
介護うつに陥りやすい人の特徴としては、真面目で責任感が強く、几帳面の方が多いようです。常に一生懸命相手に尽くそうと努力を惜しまず、自分にプレッシャーを与えている人ほど実は介護うつの危険性があります。
介護保険制度は、第1号被保険者として65歳以上の高齢者を対象としておりますが、40歳以上64歳であっても医療保険に加入していれば、特定疾病のいずれかを対象として介護認定を受けることができます。
2022年現在、特定疾病は16種類あります。それぞれの疾病は以下の通りです。
がん | ・無制限の自律的な細胞増殖が見られること(自律増殖性) ・浸潤性の増殖を認めること(浸潤性) ・転移すること(転移性) ・進行性かつ治癒困難な状態にあるもの |
関節リウマチ | ・国が示す診断基準で診断される ・市町村の認定調査を受ける |
筋萎縮性側索硬化症(ALS) | ・成人発症で経過は進行性 ・脳と脊髄の運動神経細胞(運動ニューロン)の異常による筋萎縮・筋力低下と診断 |
後縦靱帯骨化症 | ・基準よりも症状が重い場合は難病医療費助成制度を利用することができる |
骨折を伴う骨粗鬆症 | ・骨が脆くなる病気が他にない ・事故等でなく軽い力で骨折してしまう |
初老期における認知症 | ・記憶障害や認知障害の発現が認められる ・せん妄の経過中にのみ現れるものではないこと |
パーキンソン病関連疾患 | ・40歳以上で緩徐進行性である ・姿勢の不安定さや易転倒性が目立つ ・ほぼ対称性の無動あるいは筋強剛がある |
脊髄小脳変性症 | ・小脳性ないしは後索性の運動失調を主要症候とする ・経過は緩徐進行性 ・小脳や脳幹の萎縮や大脳基底核病変を認める ・二次性の運動失調症を否定できる |
脊柱管狭窄症 | ・脊柱管狭小化を総合的に診断されたもの ・長距離を歩くことで腰痛や脚のしびれや痛みなどの症状が起こる |
早老症 | ・早老性外貌(白髪、禿頭など) ・白内障 ・皮膚の萎縮や硬化又は潰瘍形成 |
多系統萎縮症(MSA) | ・小脳失調型では小脳や脳幹の萎縮がみられる ・脳幹と小脳を結ぶ部位に異常がみられる |
糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症 | ・糖尿病と診断される ・糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症 |
脳血管疾患 | ・明らかな血管性の器質的脳病変を有するもの ・通常の社会生活が継続できない状態 |
閉塞性動脈硬化症 | ・て腹部大動脈末梢側、四肢の主幹動脈、下肢の中等度の動脈等に閉塞が見られる ・痛みや壊死が起こる状態 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD) | ・慢性気管支炎あるいは肺気腫による疾患 ・気流閉塞が起こっていること |
両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 | ・日本整形外科学会変形性膝関節症治療成績判定基準による診断 ・膝関節・股関節の変形による苦痛や機能低下がある |