嘔吐(おうと)とは?
嘔吐は様々な病気や状態で起こることがあり、高齢者に多い症状のひとつです。
病気による嘔吐では、感染症や食中毒、消化器官の疾患、薬の副作用などが原因で起こることがあります。また精神的なストレスや不安などが原因で起こることもあります。
嘔吐が高齢者に多い理由は、消化器官の機能が低下しているからです。食物や薬剤が胃腸内に留まる時間が長くなり、胃酸や胆汁の刺激を受けるため、嘔気(おうき)の症状が出やすくなります。
高齢者による嘔吐は、薬剤や食物の摂取により引き起こされる場合があります。薬剤においては、薬の副作用などが原因で嘔吐を起こすことがあります。他にもストレスや不安、悲しみや孤独感などによる精神的なものや、施設や家のまわりの騒音に過敏になっている場合なども嘔吐を引き起こすことがあります。
高齢者は、慢性的な疾患や痛みなどの治療のために複数薬を服用することがあります。
組み合わせが身体に合わないことも考えられるため、かかりつけ医に相談してみることも考えておきましょう。
胃や腸の機能が低下している場合は嘔吐を起こしやすいです。胃潰瘍や胃炎、食道がんなどの疾患がある場合も同様に嘔吐を引き起こします。
胃腸に負担がかかりにくい食事に変えてみることが必要かもしれません。
食事中に喉を通らない、あるいは通りにくい場合に嘔吐を起こすことがあります。その場合は、固形食から柔らかめの食事に切り替えてみることをおすすめします。
施設入所や入院、転居などによる環境の変化には、適応するのが難しい場合があります。その際に孤独や不安が募ることでストレスとなり嘔吐することがあります。
ストレスにより嘔吐が繰り返された場合には、医師に相談することが大切です。
嘔吐が繰り返されたり、嘔吐量が多かったりする場合には、脱水症状や栄養不良などの健康上の問題が生じることがあります。そのため、嘔吐が続く場合には、医療機関や介護専門のスタッフに相談し、適切な対処を行うようにしましょう。