日本は世界のどの国よりも少子高齢化や人口減少が深刻な問題として挙げられております。人口激減による労働力不足が問題となっている2040年問題や、75歳以上の高齢者が今後増え続けていく2054年問題など、高齢者を支える介護福祉士は、今最も注目されている職業であると言えます。
ここでは、将来性ある介護福祉士の受験資格を取るまでを説明しています。
介護福祉士の資格は国家資格のため、社会的な評価が高い職業です。介護福祉士に限らず介護に携わる職業は、国が少子高齢化対策としてバックアップしているため、待遇改善や企業イメージ向上など収入や労働環境は年を追うごとに向上してきております。
■ 仕事内容と平均年収
介護福祉士の仕事内容は、身体が不自由な高齢者や障がいを持つ方に対し、日常生活を送るうえで必要なサポートを行うことです。他にも介護に関する助言や指導をしたり、施設内のマネジメントやチームケアの役割を担ったりします。
介護福祉士の平均月給は、地域や勤続年数などで異なりますが、およそ26~32万円とされております。
介護福祉士の資格を取るには、国家試験を受ける必要があります。全くの未経験でいきなり試験を受けることはできないため、国家試験に受験するための必要なステップを踏まなければなりません。
例えば社会人で介護未経験の方が資格を取得しようとした場合、最短でも3年はかかるとされております。
■ 介護現場で実務経験をして資格を取る
最も一般的な方法として介護現場で3年以上、実務経験を積みながら介護福祉士の資格を目指す介護職員実務者研修の方法です。実務経験ルートと呼ばれております。
実務経験ルートでは、現場で直接介護に携われるため、実践的な知識や技術を身につけることができます。
実務者研修は介護福祉士の資格を取るために必須の研修です。実務者研修資格を取得するには、無資格の場合で受講日数が6ヵ月、1日あたり約2時間の自宅学習が必要です。
介護職員初任者研修を修了している方は、受講日数は3ヵ月程度を見ておくと良いでしょう。
介護職員実務者研修 はこんなに魅力的!
活躍の場が広がるため就職に有利!
仕事の幅が大きく広がる!
復職しやすく待遇も良い!
無資格で介護を一から学びたいという方は、介護の入門的な資格である介護職員初任者研修から始めてみることをお勧めします。
介護職員初任者研修では、介護の基礎的な知識や考え方を身につけることができます。
介護職員実務者研修と介護職員初任者研修どちらからでも始めることができますが、介護職員実務者研修は介護福祉士の資格を取るのに必須の研修なため、どちらを選んでも介護職員実務者研修は受講が必要になります。
介護職員初任者研修 で就業が有利に!
無資格よりも給与水準が高い!
一度取っておくと一生有効!
資格保有を必須条件とする求人にも応募可能!
■ 福祉系高校から資格を取る
介護福祉士の国家試験の受験資格は、文部科学大臣や厚生労働大臣が指定する福祉系高校、もしくは福祉系特例高等学校を卒業することでも得ることができます。福祉系高校ルートと呼ばれております。
福祉系高校は筆記試験のみで実技試験が免除されますが、福祉系特例高等学校の場合は、卒業後に9ヵ月以上の実務経験が必要です。
■ 指定養成施設から資格を取る
介護福祉士の国家試験の受験資格は、厚生労働大臣が指定する指定養成施設を卒業することでも得ることができます。養成施設ルートと呼ばれております。
指定養成施設に指定されている教育機関は大学や短期大学、専門学校などがあります。指定養成施設の入学条件は高等学校卒業以上になります。指定養成施設での就学期間は1年以上になります。
当然のことながら、入学試験や学費が必要になります。学費は200万円以上かかることもあるため、時間と経済的な余裕が必要です。
■ 外国人向けにも資格を取る方法がある
外国人向けには、EPA介護福祉士候補者として入国してもらい介護現場で3年以上、実務経験を積みながら介護福祉士の資格を目指す方法があります。EPAルートと呼ばれております。
EPA介護福祉士候補者とは、EPA(経済連携協定)に基づき、日本の介護施設で就労・研修を行いながら、日本の介護福祉士国家資格の取得を目指す人のことです。EPA介護福祉士候補者は、インドネシア人・フィリピン人・ベトナム人を指します。
就労できる期間が4年間のため、介護福祉士国家試験に受験できる機会は1回のみとなります。
試験は筆記試験と実技試験とありますが、介護職員実務者研修を修了されているため多くの方は筆記試験のみとなります。実技試験が必要とされる方は、福祉系高校ルートとEPAルートになります。
介護福祉士国家試験の日程は、下記から確認することができます。
試験の合格率は70%前後で、受験者は年々増加傾向にあります。
資格取得までルート別または学校によりかかる費用が異なります。
実務経験ルートの場合 | |||
研修費 | 受験手数料 | 登録免許税 | 登録手数料 |
およそ10万円 | 18,380円 |
9,000円 | 3,320円 |
実務経験ルートの場合 | |||
研修費 | およそ10万円 | ||
受験手数料 | 18,380円 |
||
登録免許税 | 9,000円 | ||
登録手数料 | 3,320円 |
福祉系高校ルート | |||
学費 | 受験手数料 | 登録免許税 | 登録手数料 |
通常の高校と |
18,380円 |
9,000円 | 3,320円 |
福祉系高校ルート | |||
学費 | 通常の高校と |
||
受験手数料 | 18,380円 |
||
登録免許税 | 9,000円 | ||
登録手数料 | 3,320円 |
養成施設ルート | |||
学費 | 受験手数料 | 登録免許税 | 登録手数料 |
100~200万円程 | 18,380円 |
9,000円 | 3,320円 |
養成施設ルート | |||
学費 | 100~200万円程 | ||
受験手数料 | 18,380円 |
||
登録免許税 | 9,000円 | ||
登録手数料 | 3,320円 |
介護福祉士に合格した後は、介護福祉士登録手続きを行います。その後書類の不備がなければ、1ヵ月程経ってから登録証が手元へ届きます。
これで晴れて介護福祉士の資格を有したことになりますが、ここから就職して介護福祉士として働き出すまでは、まだスタートラインに立っていないことになります。
登録証が届くまでの間、就職活動をしておきましょう。ただし登録証が届くまでは介護福祉士と名乗れないため、履歴書には介護福祉士登録申請中と書いておく必要があります。
ここでは、介護福祉士の受験資格を取るまでのプロセスや費用についても説明してきました。
介護福祉士としてスタートするには、最短でも3年以上は必要となります。実務経験の3年に加えて国家試験日程や登録証交付までの時間を短縮することはできないため、早く資格を取りたい方はこの後すぐに行動に移しましょう。