2016年7月に選挙権年齢が、満20歳以上から満18歳以上に引き下げられました。条件を満たしていれば、選挙で投票することができますが、介護施設に入所中の高齢者や認知症の方の投票はどのように行えば良いのでしょうか。そもそも投票所へ行けない寝たきりの方や入院中の方はどうすれば良いのでしょうか。
ここでは介護施設入所中の方や入院中の方などの投票方法を説明しています。
結論から申しますと、介護施設に入所していたり、入院等で寝たきりの状態であったりしても投票は行えます。
各都道府県で指定されている介護施設や病院では、不在者投票を行うことができます。
下記は神奈川県の不在者投票指定施設一覧になります。
※出典:神奈川県不在者投票指定施設一覧
各都道府県における選挙管理委員会が指定した施設に限られますが、投票は可能です。
また入院や寝たきりの状態の場合は、一定の条件を満たしていれば、郵便等投票制度での投票ができます。
一定の条件とは、身体障害者手帳か戦傷病者手帳をお持ちの方で、移動機能の障害の程度が1級または2級であると記載されている方、または体幹の障害の程度が特別項症から第2項症として記載されている方になります。
身体障害者手帳、戦傷病者手帳および介護保険被保険者証をお持ちの方で、自ら投票の記載をすることができない方は、あらかじめ市区町村の選挙管理委員会の委員長に届け出なければなりませんが、不在者投票における代理記載制度があります。
※詳細は各市区町村の選挙管理委員会にお問い合わせください
選挙管理委員会の指定を受けている介護施設または病院には、選挙の時期になると不在者投票所を設置します。
以下は選挙管理委員会が指定した施設の場合の投票方法になります。
■ 投票用紙の請求
はじめに介護施設長に選挙の投票を行う旨を伝えます(病院の場合は院長)。投票手続の公正を保つ必要から、これらの管理者は不在者投票管理者と呼ばれております。
不在者投票管理者は、各市区町村の選挙管理委員会に対して、代理で投票用紙等の請求をします。
■ 投票用紙の交付
選挙管理委員会は、不在者投票管理者から請求された投票用紙等を交付します。
投票用紙を交付してもらえる条件は以下の通りです。
- 選挙権を有していること
- 選挙人名簿に登録されていること
- 指定施設に入院または入所中であること(通所のデイケアサービスは条件にあてはまりません)
不在者投票は、選挙の当日に投票所で投票できない方の場合に認められる投票方法ですので、指定施設で不在者投票をするために投票用紙等の交付を受けたものの、不在者投票をする前に病気が早く治癒して退院又は退所したような場合は、原則として投票所で投票することになります。
また既に不在者投票のために交付された投票用紙等は返還しなければなりません。
■ 代理投票補助者
心身の故障その他の事由により、自分で侯補者の氏名を書くことができない方には、代理投票をさせることができます。ただしこの場合は、不在者投票管理者が立会人の意見を聞いて、補助者2人を投票にかかる事務に従事する者のうちから選任する必要があります。
投票記載所においてその補助者1人の立ち会いのもとに、別の補助者(代理記載人)が選挙人の指示する候補者の氏名を記載し、不在者投票管理者に提出します。
※家族等による代理投票の補助者は認められません
■ 選挙管理委員会へ返送
投票後は、投票用紙を各市区町村の選挙管理委員会へ返送しなければなりません。
不在者投票管理者は、投票用紙の入った不在者投票用外封筒の裏面に投票の年月日、投票の場所および不在者投票管理者の氏名を記載し、立会人に署名(自署)させます。
用意された送致用封筒に必要書類を入れて、選挙管理委員会の執務室へ届けるようにします。
成年後見制度とは、認知症や知的・精神障害により判断能力の不十分な人を保護する制度のことです。
2013年5月に公職選挙法が一部改正され、成年被後見人も選挙権が回復いたしました。公職選挙法一部改訂前は、認知症や知的障害を持たれる方の判断能力が不十分とされておりましたが、選挙管理委員会の職員が外部立会人という立場で、成年被後見人の投票が行えるようになりました。
介護施設に入所しいる場合や、病院で入院している場合でも選挙で投票を行うことができます。しかし投票できる条件がそれぞれあるため、詳細は各市区町村の選挙管理委員会にご相談ください。
また選挙当日の投票所では、車いすでの投票も可能です。それぞれの自治体では対応策が設けられておりますし、スタッフも十分な人数を確保しているため、サポートが必要な方はスタッフまで申し出るようにしましょう。