体の弱い高齢者や、健全な若い方でも寒い冬場にヒートショックを起こしてしまいます。
特に寒い時期には入浴中の突然死が多発しています。
ヒートショックに関連した入浴中急死をした人は、年間で約15,000人を超えており、その死亡者数は交通事故による死亡者数(5,000人弱)をはるかに上回ります。
また、ヒートショックに関連した死亡者数のうち、実に一万人以上が高齢者の方だと考えられています。最悪の状況にならないためにも、しっかりとした対策が必要です。
冬場は、暖房の効いた暖かい部屋で過ごします。入浴をするため冷え切った浴室へ入る際や、入浴後の浴室から、脱衣所へ移動する際など、温度差のある場所へ移動すると、心臓に大きな負担をかけてしまいます。
温度変化が急激すぎると、血圧が一気に上下して、心臓や全身の血管に異変が起こります。
ヒートショックによる心筋梗塞・脳梗塞・脳卒中・不整脈リスクは高く、軽く失神だけの場合でも浴室のため滑って頭を打つなど、大変な危険が伴います。
最近では高齢者だけでなく、寒暖差にあまり慣れていない若者にも、ヒートショックは起きております。
温度差のある場所(特に体を露出させる場所)への移動には、十分に注意が必要です。
冷え込みやすい場所を温めておくことは、ヒートショックを予防する上で重要なことです。部屋を暖めるだけでなく、温めた熱を逃げにくくする処置をしておくと良いでしょう。
思い切ってリフォームをしてしまうことも想定しておくべきでしょう。
浴槽へのお湯はりのときに、湯沸しでなくシャワーを使います。高い位置からシャワーのお湯を浴槽へ向けることで、浴室全体を暖めることができます。
また、湯沸しの最後の5分を、熱めのシャワーで給湯しても十分効果があります。
できれば、陽が沈まないうちに入浴を済ませてしまうと良いでしょう。
脱衣所や浴室の室温が、それほど冷え込むことがなく温度差が少ないため、身体への負担は軽減されます。
熱すぎるお風呂は、室外へ移動した際の温度差が大きくなってしまいます。
少しぬるめのお湯に長く浸かるようにすると良いでしょう。
可能な場合は、家族に見守りや、公衆浴場などを利用することで、万が一の場合に迅速に対応することができます。
食後1時間以内は、消化を行うために胃に大量の血液が必要となります。
入浴をすることで、血液が一気に流れ込みますので、危険が伴います。
飲酒時は、体が温まることで血液の循環が良くなり、さらにアルコールが全身にまわってしまいます。
血液の流れが急になることに加え、アルコールの影響で意識まで朦朧としてしまう可能性があります。
一般的に65歳以上の男女は、健康に問題がなかったとしても、入浴時には注意が必要です。
また高齢者だけでなく、糖尿病や高血圧等の成人病の持病がある人、コレステロール値が高くメタボリック症候群、あるいはその予備軍の人なども、ヒートショックの可能性は十分にあります。
安全で快適な日常生活を送るためにも、油断せず行動しましょう。